モー娘。小説サイト
〜ある日の娘。たち〜

モー娘。小説サイト〜ある日の娘。たち〜Banner

 玄関

>>小説コーナー

 娘。のアルバム

 情報広場

 来訪記録

 我が家を紹介

 大家の部屋

 リンク集

【検索キーワード】

 「雪の花・スノードロップ」  きらりん様 執筆作品

「飯田さん、私の話を聞いてもらえますか?とってもいい話なんです
 私の両親が作ったんです」
「うん、いいよ。紺野の話聞いてあげる・・」

・・その昔、雪は無色透明でした。
 その雪には、雪の精が宿っています。
 
 雪の精はいいました。

「だれか私に色をください。自分が見えるように・・」
 
 しかし、誰も色をあげません。見えないからです
 雪の精は涙を流します。
 でも、誰も気付きません。誰にも見えないからです。

「そこで泣いているのは誰ですか?」
 
 白い花が尋ねます。
 雪の精は、その子のことを少し知っています。

 名前は、あさみちゃん。
 赤色や黄色といった派手な色が多い中で
 すこし地味で目立たない子です。

「あさみちゃんは私が見えるの?」
「はい、何でも染まれる白色の私は、透明な色でも見えるんです」
 あさみちゃんは、恥ずかしそうに答えます。そして
「あの・・派手な色ではないですが、こんな色で良ければ・・あげます」
「えっ、本当ですか? ありがとう」
 雪の精は喜びます。

 こうして雪の精は「白色」をもらい、自分が見えるようになりました。

「あさみちゃん、ありがとう。お礼に、暖かい毛布をあげます」
 
 それからというもの・・
 冬の冷たい風が吹き始めると白い雪の精が
 たくさんの仲間をつれて彼女を覆います。そして
 春が来ると、優しく彼女を起こすようになりました。

 そんな様子を見て、誰もがその小さな花を
 こう呼ぶようになりました。

 雪の花・・「スノードロップ」


「いい話だね。紺野」
「はい、でも出来すぎですよね。でも私思うんです。この『スノードロップ』
 のように優しい・・そんな子になってもらいたい、って思って両親が作った
 んだと思うんです」
「うん、いいお父さんとお母さんだね。ねえ、紺野?『白』はさあ、どんな色に
 染められるけど、どんな色にも作れない色なんだよ。紺野もそんな白色みたいに
 自分を持っていようね」
「はい、がんばります」

「雪の花・スノードロップ」(完)

 小説を読まれてのご感想などを、「来訪記録」にぜひ書き込んでくださいね。
 2003年4月8日から、のべ人の方に閲覧していただきました。ありがとうございます。

Copyright© 2000-2003 E.Tacky(keibo@keibo-freeservers.com).All Rights Reserved.