「じゃあね、お菓子君」 みっちゃん様 執筆作品
あれから、一年とちょっとが経った。
私達はあの時大泣きし、彼女との別れを悲しんだ。
代わりによっすぃ〜が入って来て・・・・思い出して感傷に浸る時間が有るのは、家に帰って来てからの僅かな時間だけになっちゃった。
「今頃いちーちゃん、どうしてるかな〜・・」
「急にどうしたの、ごっちん?市井さんから連絡無いの?」
よっすぃ〜がベーグル片手に訊いて来た。呟きが聞こえたらしい。
時々、メールで連絡は取り合ってたんだけど、最近、音沙汰が無い。
「愛想着かされちゃったんじゃないの」
圭ちゃん、それグサッと来るんだけどな。
私達は今、プッチモニのレギュラーの収録で、いつものテレビ局の楽屋に居る。
ダンスはいいけど、体操はきつい・・。
「それにしても梨華ちゃん、体柔らかいよね・・」
「確かに、石川って柔らかいよね〜」
「ホントですよねぇ〜〜〜。一回、あそこまで曲げてみたいですよぉ〜」
そう言ってベーグルを頬張る。あ、なんかお腹空いて来ちゃった。
「おっ菓子ぃおっ菓子〜♪」
「ごっちん、そんなに食べたら太るよ」
圭ちゃんに釘刺された。
「そうそう。あはは」
何言ってんだ。よっすぃ〜こそ、そんなにベーグル食べまくってたら、その内ベーグル中毒になっちゃうよ。
「い〜じゃん、別にぃ。人の楽しみを邪魔するな」
そうは言うものの、実は気になってたり・・。ま、気になってるのは皆知ってるみたいだけどね。
「ま、あんたの勝手だけどさ」
そう言って本を読む圭ちゃん。何と無くやっぱり、頼もしい。あの毒舌が無ければね・・。
「そう言えば・・」
よっすぃ〜が、茹で玉子を半分ぐらい食べたところで呟いた。
「今度入って来た人、誰かこっちに入って来るかな・・」
「どーだろーね・・・・・でも楽しみだな」
二人で話し始めたところで、圭ちゃんがポツリと呟いた。
「ま、誰が入って来ても全力尽くすだけだけどね」
・・・・・圭ちゃんさらっと言ってくれるね。
そうこうしている内に、ADさんから声が掛かった。
「さてと。行きますか」
「おっし!」
「・・・・・腹減った・・」
仕方無いけど、気合い入れよう。
じゃあね、お菓子君。また会おう。
「じゃあね、お菓子君」(完)
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