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 「なっちとかおりの絆」  きらりん様 執筆作品

 地方でのライブの帰り・・
 新幹線の窓の外は、夕日がすっかり沈み
 星が輝きだしていた。
 隣りでは、かおりが寝息をたてて眠っている。
 そんな横顔を見ていると・・
 私は、ふと彼女とのある出来事を思い出した。
 私とかおりは何かと昔から一緒にされることが多い・・。
 これは・・まだ娘。が5人だった頃の話・・。

「ねえ、おばけがいるみたい・・。怖いよ」
 私は、ぶるぶる震えながら隣りの部屋で眠っている
 かおりに電話をかけていた。
 
 今日はホテル泊・・。
 普段でも同室で暮らしているかおりとは並びの部屋を与えられた
「何よ・・こんな時間に」
 電話の向こうのかおりは眠たそうに答える。
 そりゃそうだ・・なにせ・・真夜中である。
「だって、何か寒寒しいし圧迫感も感じるの・・なっち昔から
 霊感だけは強くて・・」
「もう・・いいよ。こっちへ来な」
 かおりは諦めたように私を部屋に呼んだ。

「ごめん・・かおり。眠かった?」
 私はドアを開けたかおりにすまなそうに言う。
「いいよ・・おばけじゃね。なつみちゃん、怖かったでちゅね」
 かおりはそう言うと、にたーと笑った。
「ああ、ひどいんだ。本当にいたんだもん」
 私は頬を膨らませてかおりを睨んだ。
「ほら、こっちへ来な。かおり母さんが、一緒に寝てあげましょうね」
「年齢だって同じなのに・・」
 私はふてくされながらも、でもかおりのベットにもぐりこんだ
「それにしても・・なっちって小さいね。私とじゃ本当に親子だよ」
 かおりはふとんの中で私に抱きつきながら笑う
「あのう・・それ結構気にしているんですけど・・」
 私は、かおりをまた睨む。
「それじゃ、ここはどうかな・・」
 かおりはそう言うと、私の胸を触ってくる
「何すんの・・かおりエッチだ」
 私は・・恥ずかしくなって手で胸を隠す
「おっ、意外とあるじゃん?」
「まあね・・ナイスバディでしょ」
 かおりと私は・・大笑い。
「どう・・もう怖くなくなった?」
「うん、もう大丈夫だよ。ありがとうね」
 私の言葉にかおりは大きく頷くと静かに目を閉じた。
 途端に・・寝息を立て始めた
 
 私はもう一度「ありがとう」とつぶやくと
 彼女の手をぎゅっと握った。とっても温かい手だった。

 その次の日は・・
 おばけも出ずに・・ゆっくり眠った。
・・・いや、実は違ったらしい・・

 次の日の朝
 眠い眼をこすりながらロビーに下りていくと
 かおりの大きな目が私を睨んでいる
「どうした、かおり?」
「ばか、なっち・・」
 そう言うとかおりはキッと睨む
「何?いきなり馬鹿って!」
 私は言い返す。
 すると・・明日香がおどおどした様子で説明してくる
「あのですね、かおりの部屋で昨日おばけが出たみたいで、なっちの
 部屋に電話したそうなんです。でも、なっち起きなくて・・
 かおり怖くて眠れなかったそうなんです」
「そうだったんだ・・私眠ると起きないから。かおり、ごめん」
 私は手をあわせてかおりに謝った。でも・・
「なっちの馬鹿!」
 かおりは相変わらず・・私は言い返す
「何よ!謝ったじゃん。ばか、かおり!」
「あほ、なっち」
「あほ、かおり」
 私たちは睨み合う。

 でも・・私もかおりも・・もう分かっていた。
 私は言ってあげたかった。
・・・ほら、口元が笑っているよ、ってね・・
「・・・かおり、これからも一緒に頑張ろうね・・」

「なっちとかおりの絆」(完)

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 2003年3月7日から、のべ人の方に閲覧していただきました。ありがとうございます。

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