「かくれんぼ」 みっちゃん様 執筆作品
今、楽屋には、私とののちゃんと安倍さんがおる。
今日は何して遊ぼかな〜〜。
「あ〜いちゃ〜ん」
「ん?何?ののちゃん」
「はい、飴。安倍さんに貰ったの」
ほ〜う。やっぱり優しい人やな。
「おいひいな〜」
りんごの味がするわ。安倍さん、中々センスええな。
「ふぉーれひょ。あっち行って遊ぼ♪」
「うん、解った」
「二人とも、イタズラしちゃダメだべよ」
う、痛い所突いて来るな。どないしよ。
「亜依ちゃん、かくれんぼしよ♪」
「あ、うん、解った」
まぁええか。今日ぐらい。
「たまには安倍さんも一緒にやりませんか〜?」
ナニ?
「え?何すんの?」
「かくれんぼですぅ♪」
「おぉ〜、懐かしいなぁ。んじゃあ、なっちもやるべ」
うっそ〜ん、興味津々ですやん。ののちゃんも、目ぇ輝かせて・・。
安倍さんの精神年齢幾つやろ。まぁ、楽しいからええけど。
「ほな、じゃんけんしよか」
「ようし。なっち、負けないよ」
いや、そないムキにならんでも。
「さぁ〜いしょーはグー、じゃーんけ〜ん、ポン!」
私の鬼や。よっしゃ、30数えよか。
「い〜ち、に〜い、さ〜ん、し〜い・・・」
後ろの方で、ガサガサ動く音がする。二人とも、探し回ってるらしいな。
「に〜じゅさん、に〜じゅし・・」
音が途切れた。こっちも、30数え終わる頃や。
「さ〜んじゅ。ほな探そか」
ってぇぇ!
いや、安倍さん尻出てますて。衣装ダンスからはみ出てますよ。
・・・・どないしよかな。これはこれで面白いんやけど・・。
中澤さんやったら、即突っ込んでますよね。ははは・・。
「あ、あの〜、安倍さん・・」
ビクッと動いた。おもろいな。
「お尻出てますけど・・」
安倍さんは、えーと頭を掻きながら出て来た。
「おかしいな?完璧だと思ったんだけど・・」
ど、何処がですか!?しかも、真剣に悩んではるし。
そー言えばこの前、矢口さんがゆーてたな。
『なっちはね、私達よりも純粋な心を持ってて、何事にも真剣にやるんだ。子供の目を忘れて無いんだよ』
・・・・よー解りましたわ、矢口さん。
「この前見た時は、亜依ちゃんすっぽり入ってたのに・・」
いや、体の大きさがちゃいますて。
バレバレでしたし。
って、ののちゃん探さなアカンがな。
「ののちゃん、何処やろ?」
私が呟くと、安倍さんも真剣に悩み始めて・・・って探すの私やのに。
取り敢えず、部屋ん中片っ端から探してみよかな。
「タンス〜〜は・・・・・おらんな・・」
「テーブルの下にも居ないべさ」
・・・・・・・普通は居りません。
見てるとおもろいけど、今はののちゃんや。一体何処やろ?
「あれ〜?こっちにも居ないべさ」
「・・・・一体何処に隠れてるんや?」
部屋ん中探したけど、何処にもおらへん。う〜〜ん・・。
あそこやないし、こっちもちゃうし。
って、あれ?これ・・。
「安倍さん・・」
「ん?なぁに?」
「これ、鞄から出しました?」
安倍さんのバッグん中のもんが全部外出てる・・。
「はれ?変だな。出した覚えは無いべ」
あ、もしかして・・。バッグ開けてみよ。
「の〜んちゃぁ〜ん」
ののちゃんの頭や。にしても、よー入ったな。安倍さんも感心してるで。
「てへてへ。見つかっちった」
何はともあれ、私の勝ちやな。
ね、安倍さん・・・って、目ぇ輝かせてののちゃん見てる・・。
ホンマに、幾つやねんやろ?
「かくれんぼ」(完)
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