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 「かぼちゃの思い出」  きらりん様 執筆作品

 新潟のとある町に一人の女の子がいました。
 お母さんのお手伝いも進んでやる優しい子です。
 その子は、かぼちゃが大好きでした。
 
 ある日、お母さんがお手伝いをしてくれた
 ご褒美にかぼちゃの種をあげました。
 女の子は、大喜びでその種を埋めました。
 そして、毎日水をやります。

 しかし、芽はでてきません。
 なぜなら、カラスがその種を食べてしまったからです
 そのことを女の子は知りません。

 女の子は、それでも水を毎日あげます。
 でも・・とうとう泣き出してしまいました。
 涙がぽろぽろと零れ落ちます。

 するとどこからともなく、子猫がでてきました。
 そして、女の子の涙を舌でなめます。
 女の子はくすぐったくて・・笑い出しました。

 そして、また水をやりつづけます。
 するとまた猫が遊びにきました。女の子も笑います。
 数日後・・
 とうとう芽がでてきました。
 実は、子猫がどこかでくっつけてきた花の種でした。
 女の子は、かぼちゃの種だと思って喜びました。

 春になって・・一輪の花が咲きました。
 黄色のタンポポです。女の子は、不思議でした。
 でも、うれしそうです。
 その女の子は、まもなくこの町を引っ越していきました。
 誰もいなくなった庭を子猫は走り回ります。 
 
 タンポポの綿毛が・・ふわっと飛びました。

 数年後・・
 彼女は、自分の夢である歌手になりました。
 でも、なかなか自分の思うとおりにはいきません。

 彼女は、再び「あの庭」にいきました。
「あのタンポポはどうなっているかな?」
 彼女はおそるおそる庭を覗きます。

 彼女はその庭を見て、目を見張りました。
「タンポポが・・一杯・・」
 庭一面にタンポポの花が広がっていました。
 彼女は、タンポポの花畑を歩いていくと・・
 座り込んで泣き出します。涙がポロポロとこぼれます。

 するとどこからともなく子猫が出てきました。
 そして、彼女の涙を舌でなめます。
 でも・・今度は・・一匹ではありません。
 一匹・・二匹・・あわせて10匹の子猫が彼女に
 飛びついてきました。
「もしかして・・君達が・・君達が種をまいたんだね」

 そうです・・。この子猫達が遊びまわっているうちに・・。
 また、彼女の目から涙が零れ落ちます・・。
 でも、あの日のかぼちゃの芽の時の涙とは違いました。

 今回は・・悲しい涙ではなく・・「嬉し涙」

「あの、小川麻琴さんですよね?」
「はい!?」
 彼女は涙をぬぐうと声のした方を向きます。
「ああ、やっぱりそうだ。嬉しいです。私達と同じ新潟出身なんて
 嬉しいです・・。あの・・サインいただけますか?」
 女の子達の嬉しそうな顔を見ると麻琴は、にこっと笑うと
「うん、いいよ。ついでだから・・少し話さない?」
「本当ですか!?・・うれしいです」

 麻琴は、女の子達の手をつなぐとスキップした。
「がんばろう・・」
 心の中で素直にそう思えた・・。

「かぼちゃの思い出」(完)

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 2003年4月10日から、のべ人の方に閲覧していただきました。ありがとうございます。

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